今年は、今月は、どんな日々だっただろう。
なにがあったか、なにができたか、なにに笑ったか、なにが悔しかったか…
その時、その場では、いろいろと感情が動いたはずなのに、良いことも悪いことも、いつのまにか表層の感情に流された思い出として記憶してしまいがち。
それをちゃんと立ち止まって考える時、言葉が驚くほど力を貸してくれる。
言語化サロン iseeのワークショップ「2021年の在り方を言語化する」の様子をレポートしながら、自分を知るヒントと言葉の魅力をご紹介。
まず、2020年を表す単語を選ぶ
学研ことば選び辞典『大きな字の感情ことば選び辞典』を活用しながら、今年1年を表す言葉を選ぶ。
例えば、2020年が“がんばる年”だったという場合、「がんばる」を検索してみると…
【一途】一つのことだけ追い求めるさま。
【根性】困難にもくじけない気力。
【精進】心を打ち込んで努力する。
【尽力】ある目的のために力を尽くすこと。
【奮励】気力を奮い起こして励むこと。
など、少しずつニュアンスの違う言葉に出会う。
言葉を探していくことで、「嬉しい」「悲しい」などの平易な単語だけでは表せない、細かな気持ちがあったことに気づかされていく。
印象に残っている出来事をピックアップ
2020年を振り返って、印象に残っている出来事3つをピックアップ。ここでは一旦、感情の部分は置いておいて、事実のみを抽出。
出来事に対する具体的な感情を考える
ピックアップした出来事がどうして印象に残っているのか、その時の具体的な感情を考える。辞書をめくりながら言葉を探して、言葉の意味を知り、少しずつ感情を整理してく。
言葉が感情を細かく定義してくれているから、言葉を辿ると、単純な単語でしか記憶させてなかった過去を丁寧に振り返ることができる。その時どんな感情だったのか、細かなニュアンスの違いまで鮮明になっていく。言語化することで、自分はどんな在り方だったか、どうして心が動いたのか、見逃していた自分自身を見つけてあげることができる。
2021年の在り方を表す言葉を選ぶ
最後に、2020年の在り方をヒントに、来年どんな自分でありたいか、目標となる言葉を探す。
ワークショップの場に同席して、感動したのは、言葉がもつ素敵な力。
素通りしていた自分の感情を言葉が拾い上げてくれるというのはもちろんのこと、自分を肯定する勇気をも与えてくれるのを感じて、言葉のパワーに驚いた。
自分自身のことを振り返ったり、自分の行いをシェアする時、恥ずかしさからか謙虚さからか、なかなか素直に肯定しづらい。でも、“言葉を選ぶ”という行為に置き換えてみると、本質は同じなのに、言葉に少し責任を背負ってもらえる感じがして、ポジティブな言葉を素直に選べるのかもしれない。
そして、言葉の持つ意味に鼓舞されている気もして、不思議とよりポジティブな方向に気持ちが向いていく。
【取材極力】
言語化サロン isee
元女性誌編集者の秦 亜衣梨さんが主宰する、言語化を通して自分自身に気付く場所。
秦さんインスタグラム:https://www.instagram.com/__hataairi__/?hl=ja
日本茶ケータリング
吉田茶園
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オンラインショップ:https://yoshidachaen.theshop.jp/
Cinematographer / Photographer / Writer:Minami Otsu